【開催レポート】ASIA Link Café Vol.1(2011年11月22日)

相手を知る。本音で語る。未来を創る。
日本人学生の新卒就職率は91%。 一方、外国人留学生の日本での新卒就職率は?たったの20%です。
理由はいろいろありますが、企業のグローバル化が進んでいるわりに、留学生の就職率が伸びていかない背景には、留学生の就職活動の幅がとてもせまいという事情があります。 就職をめざす留学生の多くは、大手有名企業にエントリーします。エントリー数は平均5~6社といわれています。日本人学生の10分の1です。内定がもらえないと、あきらめて国へ帰る留学生がたくさんいます。
でも、日本の企業の99%以上は、中小企業です。小さくても、有名ではなくても、世界的なシェアを持っている中小企業、最先端の技術を持っている中小企業、元気な社員と魅力的な社長さんがいる中小企業はたくさんあります。
留学生にも、日本の中小企業のことをもっと知ってもらいたい。
社長さんと直接話して、その生き方や仕事に対する思いを感じてほしい。
資本金何億円、従業員何千人、給料がいくらだから就職するのではなく、「この企業おもしろいな」「この社長さんすてきだな」「この社長さんのもとで働いてみたいな」そういう視点で、就職先を選んで欲しい。

一方、中小企業のほうにも、不安があります。
「留学生の日本語はだいじょうぶなの?」
「気が強いって聞くけど、ほかの社員とうまくやっていける?」
「3年ぐらいで国に帰ってしまうんでしょ?」

ASIA Linkは、中小企業経営者と留学生が、まずは対等な関係で出会い、本音で語り合う場が必要だと考えました。大きな会場に何百人も集まる合同企業説明会や合同企業面接会ではなく、一人一人が向き合える場を作りたい。
こうして、ASIA Link Café vol.1 が企画されました。


グループワークと立食パーティで交流
ASIA Link Caféの考え方に賛同してくれた、現役大学生2人と大学院生1人が、スタッフとして企画から加わってくれました。
なるべく対等な関係で、緊張せずにリラックスできるカジュアルな交流会にしよう。でも、ただおしゃべりするのではなく、お互いの考え方や能力もわかるようなワークショップができないか。
ミーティングを重ねた結果、前半は体験型グループワーク、後半はアルコールも入った立食パーティにしようと決まりました。


ASIA Link Café vol.1 スタート!
さあ、いよいよ当日。
企業関係者9名、学校関係者1名、留学生8名が参加しました。
ASIA Link Café スタッフの大学生2人も、就活生です。勉強のため、グループワークに参加します。 司会は、ASIA Link代表の小野が務めます。ちょっと緊張しながらの、スタートです。どんな交流ができるでしょうか。

自己紹介シートを書こう
グループワークのテーマは、「世界に一つだけの会社を作ろう」。
企業関係者と留学生が混成チームを作り、ビジネスプランを作る、というワークショップです。留学生の知識・能力・日本語力がそして企業関係者のビジネスセンスや考え方が、お互いにわかるように、という目的があります。
まずはチーム作りから。自分が今一番興味を持っていることを、白い紙に自由に書きます。これから自己紹介を行って、自分と気の合いそうな人を見つけるのが目的です。



自由に動いて自己紹介
自己紹介シートを持って、自由に会場を動いて自己紹介をします。1対1で、15分間の間にできるだけ全員と自己紹介。短い時間で自分をアピールし、相手のことを読み取らなければならないため、みんな積極的に動き回ります。





4人チームになって、ビジネスプラン作り
自己紹介が終わり、4人のチームが5つできました。これからいよいよ、チームで力を合わせて会社を作ります。制限時間は50分。どんなユニークな会社ができるでしょうか。あちこちで熱い議論が始まりました。







プレゼンタイム
各チームのプランが完成しました。 1チーム4分(発表3分、質疑応答1分)で発表を行います。 緊張しながらも、いきいきと発表する留学生たち。 次世代のペットビジネス、漢字を売る会社、中国で日本の接客技術を教えるサービス、山形県への外国人移住ビジネス、中国の特産「人参」の販売会社。おもしろい視点のビジネスに、会場から質問や意見も飛びました。







投票
プレゼンが終わり、どのチームのプランが良かったか、一人1票で投票します。評価のポイントは「独創性」「ビジネス性」「将来性」。自分のチームには投票できません。 果たして優勝チームは?



結果発表と立食パーティ
休憩をはさんで、最後の1時間は懇親会。料理が並び、みんなビールを手にしたところで、優勝チームの発表です。 優勝は、参加者の半数近い票を集めた、「株式会社 KANJI」。おめでとうございます!プレゼンで活躍したタイからの留学生バンさんの「乾杯!」の声で懇親会が始まりました。 短い時間でしたが、あちこちで交流が生まれていました。ビールや料理はあっという間に空っぽに!さすが留学生、若いですね。社長さんの話を聞きながら、熱心にメモを取る学生の姿も見られました。







ASIA Link Café vol.1を終えて
ASIA Linkの初めてのイベントは、多くの方々のご協力によって、無事に終えることができました。後日スタッフが集まって、反省会とASIA Link Café vol.2へ向けての作戦会議を行いました。 スタッフが感じていた一番の反省点は、Caféの目的である「本音で語る」という部分が弱かったということ。企業人と留学生が、お互いに一番聞きたいことを、もっと聞けるようにするにはどうすればいいか?スタッフみんなで知恵をしぼった結果、次回のプランが決まりました。 「中小企業にとって魅力的な人材とは?」 「留学生にとって魅力的な企業とは?」 「その魅力を発信するための方法とは?」 このテーマについて、ワールドカフェ形式で話し合います。 もちろん、最後は懇親会も。中小企業と留学生が、お互いの魅力を発見できる場として。 ASIA Link Caféはみんなで育てていきたいです。

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